戦前から日本で続く「祝日」と「祭日」という2種類の休日。
みなさんは、それぞれの意味や違いを正しく理解していますか?
おそらくほとんどの方は、「国民のための休日」と思っていることでしょう。
でも実は、「祝日」、「祭日」ともにそれぞれ制定された目的が違うのです。
そこでこの記事では、「祝日」と「祭日」の意味・違い・現在の呼ばれ方をまとめていきます。
日本人として自国の文化を知るためにも、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね!
Contents
祝日と祭日の意味
まずは、「祝日」と「祭日」の意味について見ていきましょう。
祝日の意味
祝日とは政府が定めた「日本国民の祝祭日」のことです。
一方休日とは、業務・営業・授業などを休む日のことです。
前者が一年の行事としてあらかじめ決められているのに対し、後者は個人が「お店を休む日」など自由に決めることができます。
(出典元:『祝日』|コトバンク)
上記の通り、祝日とは「国民のために制定されたお休み」を意味します。
ただし、一般的に言われる「休日」とも少し違う意味合いなのです。
・祝日➡︎あくまで日本ならではのお祝いごと・お祭りごとがある休日。(国単位)
・休日➡︎単にお仕事や学校がお休みという個人的な休日。(個人単位)
このような違いからも祝日の意味を知っておくと、さらに理解しやすいでしょう。
ちなみに祝日を英語に訳すと、「public holiday(公的な休日)」となります。
祝日は、「会社や個人で決めた休日」ではなく「国が定めた休日」だとわかりますね。
祭日の意味
神社において祭祀の行われる日。
神道で死者の霊をまつる日でもある。
日取りは神社によって一定しないが,以下の2つの型に大別される。
(1) 氏神祭系統の祭日
(2)御霊信仰系統の祭日
(出典元:『祭日』|コトバンク)
祭日とは、宗教的な行事のために制定された休日といえます。
「各宗教団体で決められた催し物を神社で行う日」と理解して問題ないでしょう。
そのほかにも、「神道を信仰している皇室のために設けられた休日」という解釈ができます。
宗教に属さない日本国民にとっては、一般的な休日となんら変わりはありません。
ちなみに祭日を英語に訳すと、「national holiday(国家・国民の休日)」となります。
「公的な」というよりも「一部の国民のため」の休日と解釈することができるでしょう。
祝日と祭日の違い
祝日と祭日の決定的な違いは、「日本国民すべてを対象とした休日」であるか「宗教(神道)を信仰する方のみを対象とした休日」であるかです。
むろん祝日は前者であり、祭日は後者になります。
簡単に言うと、「祝日」という呼び名の方が現在の日本国民には浸透しているわけです。
みなが宗教に属しているわけではありませんので、「祭日」という言葉を聞いたところで
その明確な意味合いを答えられる方はごく少数。
日本に住む日本人が共通で認知しているのは、「祝日」の方だということですね。
こうした知名度も、「祝日」と「祭日」の大きな違いといえます。
現在の呼ばれ方は「祝日」
現在の呼ばれ方は、「国民の祝日」に統一されています。
この中に、「国民の休日」「振替休日」「国民の祝日」の3種類の休日が含まれています。
「祭日」という概念は世代を変えるたびに薄れており、戦前の日本を知る方たち以外でこの言葉を使う方はいないでしょう。
また、『年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム』『休日ニ関スル件』という法律に変更があってから、ほとんどの祭日は廃止されています。
祝日に名を改めて続いている祭日もありますが、それはわずかなのです。
参考までに一覧表にまとめておきます。
《現在も「祝日」として暦に残っている「祭日」》
1月1日 | 現在:「正月」という祝日。 昭和:「四方節」という祭日。 |
2月11日 | 現在:「建国記念の日」という祝日。 昭和:「日本国誕生紀元節」という祭日。 |
3月20日 (※2020年) |
現在:「春分の日」という祝日。 昭和:「春季皇霊祭」という祭日。 |
4月29日 | 現在:「昭和の日」という祝日。 昭和:「天長節」という祭日。 |
9月23日~10月8日 (※2019年) |
現在:「秋分の日」という祝日。 昭和:「秋季皇霊祭」という祭日。 |
11月3日 | 現在:「文化の日」という祝日。 昭和:「明治節」という祭日。 |
11月23日 | 現在:「勤労感謝の日」という祝日。 昭和:「新嘗祭」という祭日。 |
【まとめ】
何気なく過ごしている休日にも、「祝日」「祭日」という呼び名の違いがあったのです。
日本国民すべてに浸透する「祝日」と一部の宗教信仰者・皇室向けの「祭日」。
そのうち現代の暦に残ったのは、前者のみになります。
こうした背景を知ると、古き良き日本の文化が廃れているような気がしますよね。
代わりに、海外への意識が高まりつつある我が国では、「より個人的な休日」が増えていくように思えます。
この記事を読んだみなさんも、日本の休日について今一度考えてみてください!