Youtube動画で着々と再生回数を上げている、「ASMR動画」。
そもそもASMRとは何を指し、活用することでどのような効果を得られるのでしょうか?
似た意味をもつ言葉として、「音フェチ」を連想する方もいるかと思います。
でも実は、音フェチとASMRには、微妙なニュアンスの違いがあります。
2000年以降から世間はネット社会へと変化を遂げてきました。
その中でも、ASMRは今最も注目されている言葉の1つといえます。
そこでこの記事では、ASMRの意味、種類、効果、おすすめ動画をまとめて紹介します。
「音」による癒しや心地よさを求めている方は必見です!
Contents
ASMRとは?
ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)とは、「ある特定の音や刺激によって、五感や脳を包む快感」を意味します。
臨床用語を用いれば、「自律感覚絶頂反応」と表現することができます。
ASMRのはっきりとした定義は示されていないのですが、ひと言でいうなら「夢見心地」。
これだけではよくわからないかと思いますので、以下にASMRを得られる音の種類を挙げていきますね。
ASMRを得られる音の種類
・本/書類のページをめくる音
・美容室でシャンプーをしてもらうときの水音
・ハサミで紙を切る音
・スライムの湿っぽい音
・雨音、風の音、焚火の音
・ウィスパーボイス
・雪道を歩く音
・靴音(ヒールのカツカツと鳴る音)
・パソコンのキーボードを叩く音
・黒板にチョークで何かを書く音
・シーツが擦れる音
上記に挙げた音は、いずれも「日常生活の中で当たり前に発生する音」ですよね。
誰の耳にも聞き慣れた音で、CDのように音質を調整したものではありません。
こうした音にエクスタシー(心地よさ)を感じる方が多いのです。
ただし、ASMRを得られる音は人によって異なります。
ある人にとってその音は不快だとしても、別の誰かにとっては快感となることがあります
音楽の趣味が分かれるように、ASMRを得られる音にも個人差があることを理解しておきましょう。
ASMRの歴史
「ASMR」という言葉が誕生したのは、2010年の2月19日。
アメリカのニューヨーク州プラッツバーグ郊外に住み、南メイン大学に通うジェニファー・アレン(Jennifer Allen)さんによって名づけられました。
彼女は現在、サイバーセキュリティー企業に所属し、マネージャーの立場からコンピュータシステムにみられる脆弱性の改善に努めています。
それ以降の歴史は、以下のとおりです。
2010年:ASMRのFacebookグループが誕生
2011年:ASMRのFacebookページが作られる
2013年:ASMRという言葉が日本にも浸透する
2010年に誕生してからというもの、ASMR関連のコンテンツは日増しに拡散されています。
ここ最近では、Youtube動画やニコニコ動画でもASMR関連の動画が挙がっていますね。
ASMRの効果
2013年には、日本にも浸透し始めたASMRという感覚。
特有の心地よさを得られるこの感覚は、瞑想・ヒーリングと並ぶ癒し効果があると話題になっています
《ASMR経験者が感じた効果・効能》
・心が穏やかになる
・身体の緊張がほぐれてリラックスできる
・ストレスによるイライラが軽減する
・不眠体質が改善される
・頭頂部を抜けていくようなゾクゾクとする感覚を得られる
・精神的な不安がやわらぐ
上記の効果は、100%誰もが得られる効果・効能ではありません。
ASMRにまつわる科学的な根拠は少なく、「体験者の思い込みだ」とする声も寄せられています。
とはいえ、イギリス在住の博士2名が実施したASMR効果についてのアンケート調査では、音によるリラックス効果・睡眠導入効果などを感じている方が多いことがわかっています。
《ASMR経験者475名を対象とした、ASMR効果についてのアンケート調査結果》
心身のリラックス効果を得られた…98%
睡眠導入効果を実感した…82%
イライラ/不安などのストレスが軽減した…70%
引用:エマ・L・バラット、ニック・J・デイビスによるASMRについての論文発表
上記のアンケート調査結果は、2015年に行われたものです。
また、先にお伝えした2名の博士はイギリスの国立大学であるマンチェスター・メトロポリタン大学に所属しています。
イギリス国内でも学生数TOP5にランクインする国立大学の博士となれば、信憑性のある情報だと考えられるでしょう。
ASMRと音フェチの違い
ASMRは、臨床用語を用いて造られた言葉です。
一方、「音フェチ」とは、特定の音に対する性的な興奮を示す言葉として使われています。
医療業界や民間企業が使う言葉としては、ASMRの方が健全な響きがありますよね。
似たような意味合いがあるものの、ビジネスライクなのは「ASMR」でしょう。
実際のところ、音フェチという言葉は2007年からニコニコ動画の人気ハッシュタグとして頻繁に挙がっていました。
しかし、ASMRという言葉が日本に浸透した2013年以降は、そのポジションを取って代わられています。
少しばかり語弊はありますが、「ASMRの方が一般的に使われやすい言葉」なのです。
ASMRのおすすめ動画
最後に、Youtubeで再生回数が多い「ASMRのおすすめ動画」を紹介します。
あなたの好みに合わせて、ゆるりと音に浸ってみてくださいね!
ASMR 6種類の耳かきの音
こちらは、1時間12分の間でひたすら「耳かきをする音」を聞く動画です。
2019年8月現在、いいね数は2.5万回と大人気!
軋むような物音にゾクゾク感を覚える方向きの動画ですね。
「蚊の鳴く声」などを不快に思う方は、別の動画を視聴することをおすすめします。
ASMR 囁き雑談
リラックスしたい方におすすめしたいのが、こちらの囁き雑談動画です。
大きな物音が苦手、あるいは普段から神経質だという方は聞き惚れてしまうでしょう。
動画の再生時間も36分と短めなので、通勤・通学中のBGM代わりにもなります。
話し手の女性は線が細く丁寧な口調で好感がもてるはずです。
ASMR 枕をぽんぽんする音
睡眠導入におすすめなのは、こちらの動画です。
枕に軽いタッチを加える音のほかにも、布が擦れる音を聞くことができます。
イヤホンつきで動画を視聴すれば、すぐ近くに人がいるような追体験ができますよ。
不安症な方向きの音が収録されていると言えるでしょう
【まとめ】
ASMRの意味、歴史、効果、音フェチとの違いまで理解することができたでしょうか?
日常的に聞こえてくる生活音や囁き声などを収録したYoutube動画を視聴することが、瞑想やヒーリングに代わる心身の安定剤になり得る日は近いのかもしれません。
ネット社会におけるトレンド情報は目まぐるしく変わっていきます。
多忙な毎日を過ごす方が増え始めてからは、余計にこの傾向が色濃くなったように思えますよね。
新しい「音コンテンツ」を試してみることで、思いがけない癒し効果や快感を得られることもあるでしょうから、ぜひASMR動画を視聴してみてくださいね!