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バンクシーとは?大きな話題になったシュレッダー事件についても解説!

秘密の人物

バンクシーのシュレッダー事件を知り、まるで映画やドラマのようなパフォーマンスに驚いた人もいることでしょう。

バンクシーとは、ほかにはない独自の作品やパフォーマンスで注目を浴びながらも、その正体が明らかにされていない謎のストリートアーティストです。

この記事では、「バンクシーとは何者なのか?」、「これまでの代表作」、「シュレッダー事件」、「日本で発見されている作品」などについて紹介していきます。

バンクシーとは何者なのか?

バンクシーとはバンクシーは、イギリスを拠点とし、世界各地でストリートアートを描き続けているアーティストです。

ゲリラ的に各地を訪れ、街中にある橋や壁などにストリートアートを残す正体不明の芸術家としても知られています。

バンクシーとは何者であるのか、さまざまな憶測が広がっていますが、詳細は不明なままです。

そもそも、バンクシーはひとりのアーティストを指しているのか、グループによって活動している人たちを示しているのかということすら、明確にはわかっていません。

バンクシーは高い芸術性も併せ持つ

バンクシーは、本名や詳細なプロフィールがわからず謎めいているだけではなく、その高い芸術性やパフォーマンスの方法でも注目を集めています

世界中に残した作品の数々は高い評価を受け、それに伴って、作品に付けられる値段はますます高くなっているのです。

しかし、それでも本人が公に正体を明かすことはなく、その後も、ただ次々と作品を描き続けていることがさらに多くの人の関心を引きつけています。

バンクシーの評価は賛否両論

バンクシーの作品には、高い評価がある一方で、そもそも、これをアートと呼んでいいのかという論争が起きているのも事実です。

バンクシーが描く場所は、キャンバスなどではなく、橋や壁などが主となっています

美術館のような芸術鑑賞の環境が整えられた屋内などではなく、誰でも気軽に目にすることができるような場所がほとんどです。

そのため、公共の場を汚すただの落書きであるとマイナスの評価をする人もいます

また、公共物に無断で描かれたという判断を行政から受けて、掃除され、消えてしまった作品も多いです。

バンクシーの魅力

バンクシーの描く作品の魅力であり特徴とされている点のひとつが、社会を風刺するような強いメッセージ性が感じられることです。

人種差別や暴力、過剰な資本主義社会、さらには、児童労働や貧困問題など、政治や社会におけるさまざまな問題に対してアートを通しダークユーモアを持って警鐘を鳴らしています。

バンクシーの作品について

バンクシーの作品は、オリジナルのステンシル技法で描かれています。

基本は型紙の上から色を付けて描くグラフィティ絵画です。

数々の作品を残していますが、その代表作のひとつが「赤い風船に手を伸ばす少女」でしょう。

赤い風船に手を伸ばす少女

「風船少女」や「風船と少女」と呼ばれることもあります。

風に飛ばされるハート型をした赤い風船に手を伸ばすひとりの少女が白と黒のツートーンカラーで描かれている作品で、バンクシーの名を世界に広げたきっかけともいわれているものです。

 

最初に描かれたのは2002年で、場所はイギリス・ロンドンのサウス・バンクにあるウォータールー橋へとつながった階段壁でした。

ただし、このときは落書きとして扱われ、清掃されてしまっています。

さらに、その後も、ロンドン市内に少女の絵は描かれ続けられましたが、またしても、すべて消されてしまっているのです。

 

前作と同じモチーフにより再び描かれたのは2004年で、場所は同じロンドン市内のテムズ川沿いでした。

「赤い風船に手を伸ばす少女」のなかで少女の手から離れ飛ぶ赤い風船は、希望や自由の象徴であるとされています。

 

また、少女は希望や自由を求める子どもや人々を表しているともいわれているのです。

そのような思いが込められたこの作品は、その後も、一部デザインを描き替えながら、バンクシーのメッセージとして表現され続けています。

 

たとえば、パレスチナ人の自由を奪う壁といわれているイスラエル西岸地区の分離壁には2005年にこの作品をモチーフとしたアートが描かれました。

現地の兵士らの目を盗み描いたのは、複数の風船の束につかまり、壁を乗り越えようと空へ飛び立つ少女の絵です。

 

また、シリア内線が勃発してから3年が経った2014年に描かれているのも「赤い風船に手を伸ばす少女」です。

2014年の作品はシリア内戦の反戦キャンペーンの一環として発表され、風船に手を伸ばす少女はシリア人の子どもに描き直されています。

シリア内戦は10万人以上の死者と220万人を超える難民を出し、いまだ解決していない問題です。

 

バンクシーの公式サイトには、この未だ収まらないシリア内戦への強い反意を表明するメッセージが綴られています。

加えて、この作品に込めた思いとして、希望の象徴である赤い風船が、内戦の惨状から少女を連れ去る姿を描いていることも記しているのです。

ほかにも、2017年にイギリスで普通選挙が開催されたときには、赤い風船をイギリスの国旗柄にして同作品を描いています。

シュレッダー事件について

シュレッダーバンクシーは作品の多くを公共物などに描いています。

しかし、ときに、メトロポリタン美術館や大英博物館、ルーヴル美術館といった著名な美術館などに無許可で忍び込み、作品を展示するなどして多くの人を驚かせてきました。

そして、数あるパフォーマンスのなかでも、世界に大きな衝撃を与えたできごとのひとつが、シュレッダー事件です。

 

事件が起きたのは、世界最古の国際的なオークションハウスとして知られるイギリスの「サザビーズ」でした。

2018年10月5日に、バンクシーの代表作である「赤い風船に手を伸ばす少女」が競売にかけられたときのことです。

すでに、大きな注目を集めているバンクシーの作品は、このときも金額が高騰し、欧州の女性により104万2000ポンド(日本円で約1億5000万円)で落札されました。

 

ところが、落札が決定したことを告げる木槌が打たれた数秒後に、突如、作品が勝手に動き出し、額縁の下から切り裂けられた状態で下りてきたのです。

突然のできごとに、落札者をはじめ関係者やそこにいた人たちは騒然となり、悲鳴も上がったといいます。

誰も予想をしていない事態が起きたのは、バンクシーが事前に仕込んだ細工が原因でした

額縁の下部にシュレッダーが設置されていたのです。

 

シュレッダー事件は、バンクシーのいたずらであり、パフォーマンスであり、何より、アートを富裕層が所有し売買することへの反論の表明であるとされています。

落札者は当初ショックを受けていましたが、その後、美術史に残る作品を手に入れたことに気付いたと述べています。

さらに、この作品は、「愛はごみ箱の中に」と名前を変えて、あらためて高い評価を受けているのです。

バンクシーの日本での活動

バンクシーによるものと見られる作品は、日本でも複数の場所で目撃されています。

そのひとつとして、東京都港区内にある防潮扉に、傘を持ったネズミの絵が描かれていて話題となりました。

バンクシー ネズミの絵

東京都はこの絵がバンクシーによる作品であるかの事実を確認するため、扉の一部を保管して、調査をすることを表明しています。

しかし、都の行政が落書きを公式に認めることになるのではといった論議も一部で起きているのです。

まとめ

バンクシーは世界中のあらゆるところに神出鬼没し、高い評価を受ける作品を数多く披露しているストリートアーティスト。

一部では落書きと評される一方で、オークションでは高い落札額が出るほど、作品は高い注目を集めています。

賛否両論はありますが、芸術性の高さだけではなく、世間を驚かすパフォーマンスを次々と繰り広げながら、社会的また政治的な熱いメッセージを表現し続ける姿は、注目性の高いアーティストといえるでしょう。