「ネガティブな思考はよくない」
「ポジティブな言葉を使うことで心の負荷を減らせる」
こうしたフレーズは、思考術のセミナーや目標達成に関するイベントでよく耳にします。
根っからのネガティブな人にとって、「積極的」、「陽気」などの言葉は重荷…。
万人が口にする「ポジティブこそ正義」よりも、ネガティブであることの本質・強みを知りたいとは思いませんか?
そこで今回の記事では、ネガティブに隠された意味・ポジティブとの違いを解説します。
Contents
ネガティブの意味と隠された真意とは?
ネガティブとは、ある物事を否定的・消極的にとられる考え方を指します。
いわゆる「マイナス思考」のことですね。
電気の陰極。マイナス。
撮影・現像してできた、明暗や色相が実物と反対のフィルム・乾板の画像。陰画。ネガ。
(引用元:『ネガティブ』|コトバンク)
正式には、上記のように意味づけられています。
元々は電池の「プラス」「マイナス」を分けるために生まれた言葉でした。
そこから派生してある時点からは、「考え方の傾向」を表す際に用いられる言葉になったのです。
・ネガティブ(マイナス)思考➡︎物事を否定的・消極的にとらえる考え方。
・ポジティブ(プラス)思考➡︎物事を肯定的・積極的にとらえる考え方。
ただし、ネガティブの意味はこれだけではありません。
「最悪の事態を想定できる危機回避能力がある」という側面こそが、ネガティブに隠された真の意味合いなのです。
物事を否定的・消極的にとらえるからこそ、ピンチに直面したときも慌てない。
自分の身に起こり得る危険から逃れるための作戦・打開策を考えられる
ネガティブの意味を掘り下げていくと、こうした素晴らしい側面があることに気づけます。
ネガティブとポジティブの3つの違い
ここでは、ネガティブとポジティブの3つの違いを説明します。
ネガティブは「過去」を、ポジティブは「未来」を見つめる
新しい物事に向かうにあたって、ネガティブ思考な人は「過去の経験」を振り返ります。
過去の失敗・成功をもとに綿密な計画を練り、その計画通りに新しい事を進めるのです。
一方、ポジティブ思考な人は「未来への期待」だけでも新しい物事に向かえます。
いくら過去に大きな失敗があったとして、それは未来で成功するための経験にすぎないと考えているわけです。
《ネガティブ/ポジティブの違いがわかる例文1》
ここでは、会社を辞めてWebライターとして独立しようとする女性と男性の会話例を紹介します
・新しい挑戦を前に「未来を思い描くポジティブ思考」な女性
・反対に、「会社員だった過去を嘆いてネガティブ思考全開」な男性
“ネガティブは「過去」を、ポジティブは「未来」を見つめる”
正反対な2人の会話例を通じて、この意味を理解してもらえるかと思います。
独立ってフリーランスのことでしょ?肩書きは何にしようかなぁ、わくわくするね!
いやいや、会社員でも毎月20万稼ぐのがやっとなのに、フリーランスって。まずは、参考書を読んで…
ネガティブだなぁ。まずは、お仕事を受けてみないとわからなくない?
いや、仕事を受けられるライティング力をつけないとリピーターは来ないし
そうは言っても、お仕事を受けないとお給料はもらえないじゃない。経験を積みながらスキルを磨こうよ
リスク回避能力がなさすぎるよ。僕は独立1年目に30万は稼げる土台を作りたいんだ
ネガティブは「結果」に、ポジティブは「過程」に執着する
1つの物事に挑戦して結果が発表されたとき、ネガティブ思考な人は「結果」だけを見ます。
結果がふるわなければ、その過程でどれだけ頑張ろうと努力不足を痛感するのです。
一方、ポジティブ思考な人は、結果が悪くても「その過程での頑張り」も評価します。
「これだけ頑張れた。次こそは良い結果が出るだろう」と前向きに考えられるのです。
《ネガティブ/ポジティブの違いがわかる例文2》
ここでは、大学受験に失敗した女性(ポジティブ)と男性(ネガティブ)の会話例を紹介します。
いやぁ、第一志望は落ちちゃったね。でも、お互いに滑り止めは合格できてよかったよね
そんなことないよ。行ける大学があるのだから、そこで頑張ればいいじゃない
頑張るって何を?第一志望の大学に行けなくちゃ意味がないんだ
どうして?
第一志望に行けないと就職先の幅も狭まるからだよ。大手企業に勤めてステータスを作りたかったのに
就職先は他にもあるじゃん
ネガティブは「現実的」、ポジティブは「空想的」である。
夢や目標をもつとき、ネガティブ思考な人は「現実的に達成できること」を重視します。
自力でやれる範囲・他人の手を借りないと進められない範囲をよく考え、無茶だと思う夢・目標は早々に諦める傾向があるのです。
一方、ポジティブ思考な人は、「空想的な夢・目標」でも挑戦します。
自分の意志で決めたことに対しては、どんな無理難題でもやってみたいと考えるわけです。
《ネガティブ/ポジティブの違いがわかる例文3》
ここでは、作家になりたいと考える女性と男性の会話例を紹介します。
“ネガティブは「現実的」、ポジティブは「空想的」である”
以下の会話例からこの意味合いを感じ取れるかと思います。
私は小説を書いてごはんを食べていきたい。ベストセラー作家になって、有名になりたいの
作家になれる確率って知ってる?1つのコンペに応募する人は何千人といるんだよ
そうなんだ!それだけ多くの人たちが作家を目指して頑張っているんだね
だからさ、その中の1人に自分がなるなんて、それこそ夢物語だよ
でもそれってさ、わずかでも私たちにチャンスが残されているって意味だよね?
正気か?数千人の応募者の中には、俺たちなんかよりはるかに文才のある強豪がいるんだぞ
それでも私は作家になりたいし、なるの
俺はとてもそんな風には考えられない。その間にもメシは食べていかなければならないわけだし…
まとめ ネガティブは必ずしも悪いものではない
ここまでネガティブに隠された意味やポジティブとの違いを解説しました。
ひとつ言えることは、“ネガティブは必ずしも悪いものではない”ということです。
文字通り、否定的な視点でとらえられることの多い「ネガティブ」にも危機回避能力が高いという強みがあります。
どんな側面も一長一短ということです。ある物事を否定的・消極的にとられる考え方だからといって、それが悪いわけではありません。
自分がネガティブ思考だと自覚している方は、その活かし方を考えましょう。
・ネガティブ(危機回避能力が高い)からこそ向いている仕事は何か?
・ここだけはポジティブになるべきと自覚しているポイントはどこか?
こうした部分を深掘りしていけば、ネガティブ・ポジティブのバランスが取れたマインドが構築されていくのではないでしょうか。